小さなお子さんの手を引っ張ったら肘が抜けてしまった・・・
そんな経験ありますか? 子供の肘が外れるのは肘内障(ちゅうないしょう)という脱臼です!
橈骨(とうこつ)と いう親指側の骨が肘のあたりでわっかの様な靭帯から抜けてしまいます。
子供が小さい時に手の平を地面方向に向けたまま、手首を持って引っ張ると脱臼しやすいです。
(子供が「だっこしてー」と来た手の角度そのままで手首を持って引っ張ると抜けやすい)
- 肘内障はなぜ起こるの?
- 子供が小さい時は骨の成長がまだできていなくて、骨性の引っかかりが形成されていない為、角度が合った状態で引っ張ると抜けてしまいます。6歳以降になると骨が形成されてくるので脱臼することは少なくなります。
- 肘内障の症状
- 子供は手の平を体の方に向けたまま、肘を軽く曲げた状態で腕をぶらーんとさせたまま動かさなくなる。無理に動かそうとすると痛む為動かそうとしないが、特に腫れが出たりすることはない。
- 肘内障の診断ポイント
- 子供の手を引っ張ったら急に泣きだしたと言うのが多いです。他のケガと違い、腫れが出ることはありません。肘の外側(橈骨頭)に圧痛を認める。
肘内障の整復法
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実際の患者さんです。3歳の男の子です
(写真提供して頂きありがとうございます!)
抱っこしようとして手首を持って持ち上げようとしたところ肘を脱臼したと来院
肘内障の症状にも書きましたが腫れは出ていません。
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ちょっと見えにくいですが、橈骨頭に拇指を当てて(必ず内側から)、手の平を回外します(手の平を天井方向に向けます)
そのまま肘を曲げていきます。(子供の手の平が子供の顔に向かうように)
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最大屈曲したら回外→回内し肘を伸ばして行きます。(子供の顔に向いている子供の手の平を自分の顔の方に向けていく)
通常ここまでで橈骨頭に当てている拇指に「コリッ」とか「ポコッ」と言った音と共に何かがへこんだのを感じます。
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手を伸ばして整復終了です。
終わった後に必ず手をばんざいさせて動かすかどうか確認すること。
怖がってしばらく使わないケースもあるので必ず動かすのを確認しなければ安心してはいけません!
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肘内障整復の注意点
1、病院・整骨院がやっている時は素人判断せずに必ず受診すること。
2、なかなか入らないケースもあるのでクリック音、ばんざいするかを必ず確認すること。
3、このやり方で整復されない場合は必ず病院・整骨院に行くこと。
追記
記事にしようか悩みましたが、整骨院がやっていない時や出先で脱臼してしまった子供のことを考え公開することにしました。
何度も書いていますが、病院・整骨院が開いている時は必ず受診すること!
素人判断で肘内障の整復を行って、実は骨折していたなどと言う事もあります。
判断が出来ない場合は絶対に行わないでください!
何回も繰り返しているお子さんの場合はご両親も肘内障だとわかると思いますので記事にしてみました。
一人でも一秒でも早く痛みが取れて笑顔になって頂けたら嬉しいです♪